こんにちは、レフです。
今回は「亜鉛の髪に対する影響と、実際髪が伸びるのかどうか?」に関する話しです。いきなりの質問ですが亜鉛と聞いてあなたは何を思い浮かべますか?
私の頭に浮かぶのは「牡蠣に多く含まれている」「生殖機能に大切な成分として男性サプリに使用されることが多い」などです。小学生の時の理科の実験で、「亜鉛が金属のメッキとして使用され、サビや腐食の予防に使われていたこと」をうる覚えながら記憶があります。金属にも人体にもプラス効果があるのはびっくりしました。
1亜鉛の特徴
亜鉛は生命維持に欠かすことのできない必須アミノ酸です。主に食事やサプリメントから摂取されます。主な働きは「タンパク質の合成や分解のサポート」「細胞分裂や新陳代謝を促進する」ことです。
体内には約1.4gから2.3g位含まれます。体のすべての細胞に分布していますが、男性だと前立腺にやや多いようです。亜鉛を含む食品を食べると小腸で摂りいれられますが吸収率は30%と低いです。またストレスや過度のダイエット、喫煙、飲酒によって消費されやすいのも特徴です。
飲酒によってアルコールが体内に入るとこれを分解する酵素が働くために亜鉛が必要となります。またタバコを吸うと活性酸素が発生し、これを除去しようと体内機能が働き亜鉛が消費されます。強いストレスを感じる時は脳内で強まった神経物質を抑制するために亜鉛が過剰消費されることになるのです。
2亜鉛の髪への効果
2-1 たんぱく質(ケラチン)の合成を促す
亜鉛は髪の毛の毛母細胞の細胞分裂を促し、新陳代謝につなげます。一連の流れは体内に摂りこまれたタンパク質が分解されてアミノ酸になります。この後アミノ酸は再合成され髪の毛になります。合成されたタンパク質がケラチンとなります。
2-2 髪の内側を守る
亜鉛は髪のキューティクルを保護するコラーゲンを作ることをサポートします。
2-3 頭皮の健康を守る
体内のビタミンAの代謝が促されることが抗酸化作用と言います。亜鉛には頭皮の過酸化脂質が増えるのを予防する働きがあります。
3亜鉛が不足するとどうなるの?
身体にとってマイナスとなることが多く、「風邪をひく」「疲れやすくなる」「肌荒れやシミ」「精力減退」などにつながりやすくなります。髪では「抜け毛」や「白髪」などに影響が及びます。
もともと亜鉛は体内で作ることが出来ない上、食物からの吸収も30%レベルにとどまります。また亜鉛は尿や汗から排出される量が多い成分です。ダイエットやストレスで消費されやすいのも特徴です。
亜鉛の働きが髪に及ぼす内容をさらにまとめると以下のようになります。
・細胞分裂を促進して髪のタンパク質を生成する。
・毛母細胞へ栄養や酵素を届け新陳代謝を促す。
・免疫機能や抗酸化機能で頭皮や肌を守る。
つまり亜鉛が不足すると亜鉛の髪に対する働きにもマイナスの影響が及ぶことになります。
4実際亜鉛で髪が伸びるのか?
これまで述べたように亜鉛は髪の生成や新陳代謝にプラスに働く成分と言えます、ただし亜鉛の摂取だけで髪が伸びるわけではありません。
また亜鉛の働きとして「男性脱毛症(AGA)の原因となる男性ホルモンの合成を抑制する働きがある」との説があります。具体的には男性ホルモンのテストステロンが、5αリダクターゼという酵素と結びついてジヒドロテストステロン(DHT)が作られます。DHTは毛母細胞の働きを低下させ、薄毛や脱毛につながるとされています。
「亜鉛にはDHTの合成を抑制する働きがあり、脱毛や薄毛を抑える」との説も多く見られますが、亜鉛がどの程度5αリダクターゼを抑制できるのかが不明な点も多いのが現状です。亜鉛の脱毛症への効果にたいする見解も諸説分かれています。
5亜鉛の摂取方法と注意点
5-1 亜鉛の摂取方法
亜鉛の食事摂取基準量は厚生労働省の「日本人の食事基準2015」内で成人男性で1日10㎎、成人女性で1日8㎎とされています。
厚生労働省「日本人の食事基準2015」
成人男子の10㎎の摂取には牡蠣4個、成人女子8㎎は牡蠣3個分が必要となります。主な食品のなかで亜鉛含有量の高いものは以下にまとめてみました。ただし亜鉛を多く含む食品は高カロリーのものも多く高血圧や食べ過ぎでの肥満に注意する必要があります。
牡蠣13.2㎎ 煮干し7.2㎎ するめ5.4㎎ 牛肉(肩)4.9mg
ビーフジャーキー 8.8㎎ 豚レバー6.9㎎ 卵黄4.3㎎
高野豆腐5.2㎎ 抹茶6.3mg ごま5.9mg
5-2 亜鉛摂取時の注意点
①耐容上限量
これは前述「日本人の食事基準2015」にも設定されています。耐容上限量とは「食品などから栄養素を過剰に摂取した場合に、健康障害が発生するリスクがゼロでなくなる摂取量」のことです。
亜鉛は18歳以上の男性で40mg~45㎎、女性で35㎎とされています。一時的に過剰摂取したり、継続して過剰に摂取すると以下のような症状が出る場合があります。身体に良いからといっても、バランスよく摂ることが大切です。
吐き気 嘔吐、腹痛、低血圧、下痢、胃障害、腎機能障害など。
②亜鉛の吸収率を上げる工夫
亜鉛の吸収率を上げる成分として「ビタミンB」「ビタミンC」「クエン酸」が挙げられます。もともと亜鉛は食品吸収率が悪い栄養素ですが、ビタミンB・C、クエン酸は髪や頭皮にとってプラスとなる働きもあります。
ビタミンBの働きは細胞の代謝を促進することと、頭皮の皮脂分泌をコントロールして頭皮を乾燥から守ることになります。ビタミンCはコラーゲンの生成をサポートして血管を丈夫にします。また抗ストレスホルモンの分泌を促すことも注目されています。
クエン酸は梅干しやかんきつ類に含まれる栄養素ですが、血流の流れを促し頭皮の血行改善や育毛環境にプラスに働きます。
③生活習慣を見直す
亜鉛は髪にとってプラスの働きを及ぼす栄養素となりますが、亜鉛だけで髪が伸び脱毛に効果を及ぼす万能成分ではありません。髪や頭皮の健康に繋がる「頭皮マッサージ」「十分な睡眠」「有酸素運動を定期的に行う」「喫煙は髪にマイナス」であることなど生活週間を見直し、髪や頭皮にプラスとなることを習慣化することが大切です。
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